黒冬



空は黒く
一つの電灯が白い

身の回りから 聞こえるのは
うめき声だ
老人達の声だ

黒い空の中の 見えない老人の声
零下の中 誘いを待つ声だ

老人の声のない今
彼らと共有の時はない

晴れるだろう
おそらく空は
青い春へ

黒い冬へまた
舞い戻るにしろ
衰えの冬へ
老人の精神へ
足萎えの心へ
戻るにしろ

青の空の時も ある


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